宮崎県延岡市の内藤記念館は、旧内藤家の邸宅のあった丘にあり、貴重な「天下一」の能面を所蔵する市の文化施設です。文化庁の公開承認施設を目指して建替が企画され、設計者を選定プロポーザルに応募した提案です。

技術提案に関する課題

  • 敷地周辺の歴史的景観・環境に配慮した設計
  • 公開承認施設を目指す設計技術(国宝・重要文化財や芸術作品が観賞・収蔵できる施設設計)
  • 地形へ対応した設計(施設アクセスにおけるバリアフリーへの考慮)
  • 日本庭園や樹木を活かした空間と和室(茶室)の設計
  • 維持管理費の軽減を実現するための提案

計画コンセプト【立体回遊式庭園 ~歴史・庭園・風景を巡る歴史民俗博物館】

日本庭園に溶け込み、城山公園と一体感ある風景を生む立体回遊式庭園の歴史民俗博物館です。内藤家旧宅の雁行した日本庭園様式の特徴と延岡城跡の風景を継承し、展示を巡回する過程で既存の日本庭園や周囲の風景を同時に回遊する体験型の博物館です。建物全体が庭園であり、城跡公園のような体験をつくりだします。

計画に当たっての配慮事項

  • 延岡城跡との景観、内藤家邸宅跡の歴史を融合した新しい風景をつくる
  • 公開承認施設を目指す展示・保存・管理のゾーニング
  • 人に優しい施設 -すべての人が居心地よく使いやすい施設づくり
  • 日本庭園+広場+屋上庭園の一体的なランドスケープ
  • からみ煉瓦ブロック壁のダブルスキン構造による温熱環境の調和
  • 交流を生む場の仕掛けづくり

施設名称延岡市 歴史民俗博物館(仮称)
建設予定地延岡市天神小路 255 番地 1
敷地面積8,820.35 ㎡
延べ床面積約 3,500 ㎡(本棟 3,380 ㎡・屋外和室 120 ㎡)
構造鉄筋コンクリート造(本棟)木造等(屋外和室)