南国珍々豆は1967年の発売開始から来年で50周年を迎えられ、鹿児島の地域の方々には広く長く親しまれている豆菓子を製造販売さていらっしゃる大阪屋製菓様の新工場の計画提案の依頼を受け、最初の計画案です。
既存工場の課題
- 工場の老朽化 (耐震性の不安、設備環境の劣化)
- 衛生上問題が多い(HACCP対応、フードディフェンス)
- 生産効率の低下(最適ライン動線、在庫最小化、省エネルギー)
- 雇用の確保が難しい(自動化による省人化、魅力的な労働環境)
- 物流コストが高い(物流拠点・輸送コントロール・在庫配置・運営組織の最適化)
計画コンセプト
- 工場のシステム化を建築デザインに昇華させる
- 企業のコンセプトや商品を工場で体現する
- 地域に貢献し地域から発信する
食品工場に必要な法的・技術的要件をクリアし、効率化による高い生産性を確保し、従業員が快適に働くことができ、創造的な生産空間を地域・社会に公開することにより、商品を広くPRし、来訪者や近隣住民に好印象を与え、ビジネスチャンスならびに企業イメージ向上を獲得するという夢に溢れるこれからの食品工場の新しいモデルをご提案します。もちろん、知識・技術・経験・協働力を生かし、低コスト、耐久性・更新性、免震構造や耐震構造、省エネルギー対策など、ハード・ソフトの両面からトータルで提案させていただきました。
私たちの提案した大阪屋製菓新工場は、工場の計画ならびに建設において優先されがちな「経済性」や「生産性」のみを追求した『施設』ではなく、人々の笑顔や健康を願う商品が開発・製造され、人が誇りをもって働ける『アトリエ工房』のような工場です。工場は、工業生産化の〈標準化〉が重要なキーワードです。しかし工場建築の多くが建物自体を箱物に標準化してしまうことが目標だと勘違いされがちです。そうではなく、工場の働き(システム・性能)を標準化することは、工場空間の可能性を拡大するためであることが見過ごされています。なぜなら目標のシステム・性能を達成するためには、さまざまな工場空間のためのデザインの選択肢があり得るからです。
計画敷地 | 鹿児島市錦江町 |
用途 | 工場 |
敷地面積 | 659.72 ㎡ |
建ぺい率 | 70% |
容積率 | 200% |