レンガ(煉瓦)には、デザイン性が高く建物の外装や構造体として活用できるものがあり、この記事ではそういったレンガのことをデザインレンガと総称しています。
デザイン性の高いレンガは色や風合いの幅が広く、建物の構造体・インテリア・エクステリアなど、さまざまなシーンで活用できる建築材料です。レンガの積み方や施工方法によって幅広いデザインやテイストが実現するほか、耐熱性が高く湿気に強いといった実用的な特徴もあります。
この記事では、デザインレンガの概要と活用方法、特徴や活用のポイント、材料費や施工価格、主な積み方・工法、主要なメーカー、おすすめのレンガ、実際のレンガ活用事例などを網羅的に紹介しています。
レンガについて、一般的な特徴、種類ごとの性能や活用方法などについて詳しく知りたい方は「レンガとは?タイルとの違い、特徴、種類・製法、活用事例、購入方法を紹介」のページをあわせてご覧ください。
デザイン性の高いレンガとは?
レンガ(煉瓦)には、デザイン性が高く建物の外装や構造体として活用できるものがあり、この記事では、そのようなデザイン性が高いレンガのことをデザインレンガと総称しています。
デザインレンガは、色や風合いのバリエーションが多く特徴的な空間デザインを実現できます。また、組構造として構造体に活用できるほか、断熱性が高く湿気に強いといった実用的な特徴があります。
また、乾式・湿式といった施工方法によっても見栄えや印象が大きく変わり、店舗・住宅などさまざまな用途でグレード感の高い空間が演出できます。
デザイン性の高いレンガを採用するには?
デザイン性の高いレンガは、建築材料として構造・インテリア・エクステリアなど幅広く活用できます。各レンガメーカーから、さまざまな色・風合いのレンガが販売されており、積み方や施工方法を組み合わせることで、幅広いテイストの空間デザイン・設計が実現します。
具体的には、建物の外壁やファサード、室内の間仕切り壁やスクリーン、舗装などでデザインレンガは活用でき、個性や高級感の演出につなげられます。
また、実際にレンガを建築設計・デザインに取り入れる際は、レンガに関する建築法規、価格、積み方、施工方法、主要なメーカーや商品、廃棄方法などを把握することが重要となります。
建築デザインにおけるレンガ活用のメリット・特徴
建築デザインにレンガを活用するメリットや、建築材料としてのレンガの特徴について紹介します。レンガは構造体(組積造)として活用できるほか、外装や内装に使用することで個性的な見栄えや高級感のある空間が実現します。さらに、断熱性能が高く湿気に強いといった実用性・機能性を持っている素材です。
建築材料としてレンガを使用するメリットや素材としての特性をおさえることで、レンガ活用した建築のデザイン性と機能性を高められます。
特徴1:構造体(組積造)としても活用できる
レンガは、仕上げだけでなく、建築の構造体として活用できるという特徴があります。
建築基準法の「構造耐力上主要な部分」には、法37条に一定の品質の材料(告示で定められたJIS・JAS適合品、大臣認定品)を使用してくださいと定められています。これを「指定建築材料」といいますが、レンガはこの指定建築材料に該当しません。
しかし、レンガは法第20条第4号イで「構造方法に関して政令で定める技術的基準に適合していること」という規定から、政令第3章第4節「組積造」にて構造方法が規定されているため、その構造方法に準じていれば指定建築材料以外であるレンガも構造体として活用できます。
レンガを建築デザインに取り入れる場合、このように仕上げだけでなく、構造材としても活用できるというメリットがあります。
特徴2:色々なテイストのレンガがあるので、様々な場所に活用できる
レンガは、焼き方や製法によって色合いやテクスチャーが異なり、色々なテイストの商品があるので、デザインに合わせて様々な場所に活用できます。
レンガは土を活用した自然素材であるため、原料の土の特性によって様々な色合い、テクスチャーのレンガがあります。また、同じ土でも製法や焼成温度によっても人工では作り出せない色むらや表情ができます。
色々なテイストのレンガがあるため、建築やエクステリア、インテリアなど様々な場所に活用できます。
特徴3:レンガを活用すると、断熱性能の高い建物をつくることができる
レンガは、断熱性能に優れているため、外壁に活用すると断熱性能の高い建物をつくることが可能です。
熱伝導率(W/mK)とは、伝熱による熱の移動のしやすさを表す指標で、この数値が低いほど熱を伝えづらい素材となり、断熱性能が高い素材といえます。レンガの熱伝導率は、普通レンガは0.62、耐火レンガは0.99です。コンクリートやガラスに比べると熱伝導率が低く、熱を伝えづらい性能を持ちます。
さらに、断熱レンガの熱伝導率は、ALCパネルや乾燥木材と同等の高い断熱性能があります。断熱レンガとは、原料に木くずなどの可燃性物質を加えて焼成したレンガです。レンガの気孔率が高いため、嵩比重が低くなり、熱伝導率も低くなります。
各素材の熱伝導比熱(W/mK)の比較
素材の種類 | 熱伝導比率(W/mK) |
---|---|
コンクリート | 1.6 |
ガラス | 1.0 |
ALCパネル | 0.17 |
木材(乾燥木材) | 0.15~0.26 |
普通レンガ | 0.62 |
耐火レンガ | 0.99 |
断熱レンガ | 0.14~0.17 |
また、体積あたりの必要熱量を示す容積比熱(kj/m³・K)という指数があります。「比熱」と「密度」をかけあわせた数値のことで、壁材や断熱材などの熱容量を表す際に用いられます。容積比熱の値が大きい物質ほど温まりにくく、冷めにくい性質を持っているということになります。
レンガの容積比熱は、耐火レンガの場合、コンクリートに近い高い蓄熱性能をもっています。
各素材の容積比熱(kj/m³・K)の比較
素材の種類 | 容積比熱(kj/m³・K) |
---|---|
コンクリート | 2013 |
合板 | 1113 |
耐火レンガ | 1959 |
普通レンガ | 1390 |
このように、レンガを外壁に採用した建物は、高い断熱性能を得られるため、夏は涼しく冬は暖かく過ごすことができます。
特徴4:吸水性が低いので、湿気に強い建物をつくることができる
レンガは高温で焼き上げて製造されるため、他の建築素材と比べて、吸水性がとても低く、湿気に強い建物をつくることができます。そのため、建築基準法(令1条1項四号)でも石、コンクリート、ガラスとともに耐水材料として規定されています。
レンガを外壁に使用した建物は、梅雨の時期などに悪天候が続いても、外の湿気が室内に入り込みにくいため、結露から発生するカビやダニの発生が抑えられ、アレルギーの原因となるアレルゲンを減らす効果があります。
吸水性が低いという特性を持つレンガを建物に使用することで、湿気に強い建物をつくることができ、湿度の高い日本の気候風土に最適と言えます。
レンガの価格とは?設計単価や労務・運搬・材料の目安を紹介
レンガの価格がどのように構成されているか解説し、さらにレンガの施工単価の価格帯をご紹介します。設計やインテリアデザインでレンガを採用する際に、レンガの価格構成や施工単価の目安を事前に知っておくことで、他の仕上げとの比較を行うことができ、より具体的に検討していただけます。
レンガの価格の基本的な考え方
レンガの価格を決める構成要因には、レンガの製品を製造するためにかかった費用として製造原価があります。この製造原価は材料費・労務費・経費の3つに分類されます。
さらに製造原価に加え、販売や管理にかかる費用として、販売費と一般管理費がかかります。これら5つの構成要因がレンガの総原価であり、レンガ自体の単価になります。レンガ自体の単価に対する各構成要因の価格割合は、20%程度ずつが一般的です。
そして、この総原価に製造者の粗利益を加えて、上代(設計価格)と下代(仕入れ価格)が決められています。設計価格とは材料の金額の目安となる金額で、定価と同じような意味合いで使われる場合があります。仕入れ価格とは、元請けの施工会社から施主や発注者に提示される価格です。設計価格を100%とした場合に、仕入れ価格は、70〜80%程度が一般的です。
例えば、積みレンガの材料費は、4,500円〜15,000円/㎡程度です。さらに、レンガの材料価格とは別に現場までの運搬費が掛かります。
主なグレードと目安となる単価
ここではレンガを仕上げとした場合の価格帯をご紹介するとともに、他の仕上げの価格帯も合わせてご紹介します。いくつかの仕上げの価格帯を知っておくことで、仕上げの種類を選択する時の手助けとなります。
仕上げの種類と施工単価
仕上げ種類 | 概要・グレード | 標準的な価格帯(施工単価) |
---|---|---|
塗装 | 吹付タイルのような複層仕上げ塗装 | ¥2,000~/m2 |
タイル | 二丁掛タイルなど一般的なタイル仕上げ | ¥4,000~/m2 |
スライスレンガ | 赤レンガのような比較的リーズナブルなレンガタイル仕上げ | ¥10,000~/m2 |
積みレンガ | 耐火レンガのような比較的グレードの高いレンガ積み仕上げ | ¥20,000~/m2 |
吹付タイルや弾性タイルのような凹凸ある仕上げにできる複層仕上げ塗装は、材料費も安く、スプレーガンで吹付けるため工数も少なく済むため、比較的リーズナブルな価格帯になります。
タイル張りは、モルタルを使って張り付けていく湿式工法と接着剤を使って張り付けいく乾式工法の2種類がありますが、一枚一枚職人が張り付けていくため、モルタルや接着剤の材料費に加えて、塗装に比べて人工が多くかかります。
スライスレンガは、専用の下地パネルを使用する「引っ掛け工法」が主流で、従来の湿式工法に比べて安全性も高く工期短縮できますが、下地パネルが¥5,000/㎡程度かかるため、タイル張りよりも施工費は倍以上になります。
積みレンガは湿式工法であっても、乾式工法であっても、重いレンガ1個1個を職人が補強鉄筋に通しながら積み上げていくため、その通し筋やモルタルの材料費に加えて、工期は長くかかり、職人にかかる人件費もかさみます。
レンガの主要な積み方・パターンとは
レンガでよく使われる代表的な積み方・パターンを紹介します。長手積、小口積、イギリス積、フランス積、透積(すかしづみ)といった積み方について、特徴や使い分けのイメージを掴んでいただけます。
積み方1:長手積
長手積とは、煉瓦の長手のみを表に向けて馬目地に積む積み方です。馬目地(うまめじ)とは、縦か横方向に半分ずつずらして積む方法です。
長手積をデザインに採用すると、長手面だけが現れるため、水平方向に伸びるような見え方になり、大きな立面を持つ建物で活用すると効果的です。レンガの小口面が壁厚となり、壁が薄くなるため、強度の面では小口積みよりも劣ります。
代表的な建築物には、横浜開港50周年を記念して造られた横浜市開港記念会館があります。
積み方2:小口積(ドイツ積み)
小口積(ドイツ積み)とは、煉瓦の小口のみを表に向けて馬目地に積む積み方です。ドイツ積みとも呼ばれます。
小口積をデザインに採用すると、小さな小口面だけが現れるため、小さな面でも曲面を作りやすいです。昔から井戸でも活用されており、曲面のある建物で活用すると効果的です。また、レンガの長手面が壁厚となるため、壁が厚くなり構造的な強度も保ちやすくなります。
積み方3:イギリス積
イギリス積とは、煉瓦を長手だけの段と小口だけの段と一段おきに積む積み方です。
イギリス積をデザインに採用すると、長手と小口の段がストライプ状に積層されたような見え方になるため、水平方向に長い立面を持つ建物で活用すると効果的です。また、イギリス積みは縦方向に目地が通らないため、フランス積みに比べると、強度が高く、使う煉瓦が少なくて済むため経済的です。土木構造物や鉄道関連の施設でよく使われています。
積み方4:フランス積
フランス積とは、一段の中に長手と小口を交互に並べていく積み方です。
フランス積をデザインに採用すると、長さの違うレンガが交互に並びつつも、規則性のある積み方となるため、美しい見え方になります。建物の正面の顔となるような場所で活用すると効果的です。代表的な建築物としては、世界遺産としても有名な「富岡製糸場」があり、明治時代後期以降の建物に多く採用されています。
積み方5:透積(すかしづみ)
透積(すかしづみ)とは、レンガ同士の隙間を開けながら長手方向に並べ、それをずらして積む積み方です。補強の為レンガの両端に穴を開けて、鉄筋を通して補強します。
透積をデザインに採用すると、レンガ積みの壁に規則的に孔が開いたような見え方になります。壁でありながらも、光と風が抜けるため、建物のファサードや間仕切り壁のような場所で活用すると効果的です。
レンガの主要な工法(施工方法)と特徴
レンガは、レンガの種類や積み方だけでなく、施工工法によっても見え方や強度が変わります。建築で採用されているレンガの主要工法について、3つご紹介します。
湿式れんが積み
湿式れんが積みとは、レンガにモルタルを塗り付けて積み、隙間もモルタルで埋めていく工法です。
モルタルの目地がレンガと合わせて温かみのある表情になります。レンガの積み方も職人の腕で自由に積めるため、デザインの幅が広いメリットがあります。一方で、モルタルを乾かしながら作っていく必要があるため、施工期間が長くなりやすいのがデメリットです。
この湿式れんが積みは、RCなどの構造体の壁面に積み上げていき、そのレンガ壁を金物(乾式)で躯体に緊結固定して躯体から自立させてつつ、外壁を断熱保護する外断熱にもよく使われる工法です。
透かし積み(湿式)
透かし積み(湿式)とは、長手方向にレンガを並べて間を透かした湿式れんが積みによる工法です。
この工法では、補強のためレンガの両端に穴を開けて鉄筋を通し、モルタルを塗りつけて積んでいきます。そのため、RC躯体の帳壁構造に準拠する組積方法ではなく、建物の面内変形応力を逃がすため、構造的に自立したレンガ壁が作れることがメリットです。
透かし積み(乾式)
透かし積み(乾式)とは、鉄筋とモルタルを使って積み上げる工法と違い、鋼管パイプと目地をつくるためのゴムスペーサーで積まれた完全乾式による新しい工法です。
モルタルを使用しないため、目地の白華現象によるレンガ表面への汚れが起きにくいです。曲線のデザインも簡単に施工できます。
耐震性能においてもレンガ1個1個が変位に追従できるため、大地震時においても優れた層間変形追従性能を発揮します。そのため、大規模な(スパンの長い)スクリーンに適しています。
建築設計・インテリアデザインでのレンガの採用・活用方法4選
建築設計やインテリアデザインでレンガを採用できる部位や使い方の具体例について紹介します。具体的な活用シーンの写真から、実際にデザイン性の高いレンガを活用するイメージを掴んでいただけます。
活用方法1:レンガをスクリーンとして活用することで、個性的なインテリアやファサードを実現できる
レンガを透かし積みにすることで、目隠しと通風を両立したスクリーンとして活用できます。インテリアや外観デザインにレンガスクリーンを取り入れることで、個性や高級感といった印象を加えることができます。
特に、間仕切り壁やファサードにレンガの透かし積みの壁や、格子状のルーバースクリーンを採用すると、目隠し・日除け・通風などの効果が得られ、室内の快適性が向上します。
また、夜にレンガスクリーンを間接照明などでライトアップすると、レンガの温かみや仕上げの豊かな表情の印象が一層増し、硬く重いレンガがすだれのように柔らかく軽快な印象にも見えるなど、インテリアとしての存在感も豊かです。
活用方法2:レンガを外壁として活用することで、断熱性やデザイン性の高い外観を実現できる
レンガは建物外壁の保護や仕上げとして活用できます。レンガを建物外壁に活用することで、デザイン性や見栄えを上げるといった効果のほか、断熱性能の向上にもつなげられます。
建物の外壁にレンガ積みを採用すると、断熱性の高いレンガと躯体との間に空気層ができ、熱が伝わりにくくなります。そのため、外部からの熱の流入をおさえる断熱性と、内部からの熱を逃がさない蓄熱性が向上し、夏は涼しく冬は温かくなる効果が得られます。
また、レンガは日射による紫外線劣化に強いため退色が少なく、材料強度が高いことから風雨にも強い素材です。表面の汚れや欠損といった劣化は目立ちにくくメンテナンスコストも低いですが、経年変化による風合いの変化を楽しむ事もできます。
活用方法3:レンガをエクステリアの舗装や塀として活用することで、環境にやさしく調和した外構となる
レンガをエクステリアの舗装や塀に活用することで、環境にやさしく、街並みに調和した外構デザインが実現できます。
レンガは透水性に優れ雨水の浸透を促進することから水溜りができにくくなるため、歩道や玄関アプローチに向いた素材です。また、断熱性に優れているため、路面温度の上昇をおさえヒートアイランド現象を軽減する効果が得られます。
さらに、レンガは土を原料に焼成された素材のため、タイルやコンクリート製品と比較して植栽やガーデニングなどを含んだ街並みや景観に調和します。
活用方法4:レンガをインテリアに取り入れたり家具デザインに合わせることで、さまざまなテイストの高級感が演出できる
レンガを内装デザインに取り入れたり家具と合わせることで、高級感のあるインテリアを演出できます。
レンガには多くの色味や風合いの製品があるため、さまざまな素材と組み合わせることで、幅広いスタイルの高級感あるインテリアが実現できます。
例えば、赤レンガやアンティークレンガは、コンクリートや鉄の構造と相性が良く、レザー張りの家具と合わせることで、ニューヨークのSOHOスタイルのようなモダンでスタイリッシュなインテリアが実現します。
また、耐火レンガのような淡く白っぽいレンガでは、パインやオークの天然フローリングにマッチし、ファブリック張りの家具と合わせることで、北欧のようなナチュラルなインテリアになります。
国内の主要なレンガ製造メーカーリストとおすすめメーカー5選
国内の主要なレンガ製造会社・メーカーについてリストにまとめているほか、おすすめのレンガメーカー5社について特徴や標準品のサイズ・設計価格などを詳しく紹介しています。
メーカーリストでは、会社名、特徴、カタログ、ショールーム所在地などをまとめています。さらに、一覧表のリンクから各メーカーのレンガのラインナップ、商品写真、仕様、ショールームなどを確認できるため、デザイン性の高いレンガの検討・計画において製品の比較や各メーカーへの問い合わせに役立てていただけます。
レンガのメーカーリスト
会社名 | 特徴 | 主な製品 | カタログ・製品紹介ページ | 住所(営業窓口) | 電話番号(営業窓口) |
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織部製陶株式会社 | 手仕事にこだわり特注生産するメーカー | クレイマイスター | 製品紹介ページ | 〒550-0004大阪府大阪市西区靱本町1丁目14-18 本町アセットビル1F | 06-6445-0040 |
株式会社國富 | レンガのラインナップが豊富なメーカー | レンガTUMBLE | 製品紹介ページ | 〒489-0906 愛知県瀬戸市本郷町820 | 0561-48-2121 |
都窯業株式会社 | 一般的なレンガから、古レンガ・輸入レンガまで取り扱うメーカー | CLAY BRICK | データダウンロード | 〒530-0047大阪市北区西天満2丁目8番地1号大江ビル | 06-6367-0389 |
創碧株式会社 | 安全・強靭・低コストなレンガを提供するメーカー | 新燃レンガ BUILDING BRICK | 新燃レンガ カタログ | 〒889-1803 宮崎県都城市山之口町山之口3388-1 | 0986-57-4511 |
国代耐火工業所 | 国内に自社工場を有するセラミック建材メーカー | agorabrix(アゴラブリックス) | 22-23 agorabrix&agoragene | 〒106-0045東京都港区麻布十番2-14-11 | 03-5484-9246 |
亀井製陶株式会社 | 地球環境に配慮したエコ製品の開発を行うメーカー | アーザンブリックス | 無焼成エコレンガについて | 〒507-0901岐阜県多治見市笠原町1258番地 | 0572-45-0015 |
株式会社 モザイクジャパン | オリジナル製品を開発・販売するメーカー | クリスタルブリック | カタログダウンロード | 〒303-0033 茨城県常総市水海道高野町2139-1 | 0297-30-9152 |
クリエイ ティブ・リソース | 資源循環のためのしくみをつくるメーカー | エドブリック | EDO brick製品カタログ | 〒141-0031 東京都品川区西五反田 7-23-11 ライオンズマンション西五反田 104 | 03-5747-9420 |
メーカー1:織部製陶|特注生産にこだわる外壁タイルメーカー
織部製陶は手仕事にこだわりを持つ、特注生産のメーカーです。
織部製陶の代表的なレンガ製品はクレイマイスターという商品で、専門の職人により一枚一枚手作業で丁寧に仕上げられており、ハンドメイドの仕上がりという特徴を持つ製品です。
スライスレンガとレンガを押出成形にて特注製作するため、様々なサイズで製作可能です。標準品は、寸法190㎜×140㎜厚さ20㎜で材料の設計価格が18,000円/㎡(35枚/㎡)です。
メーカー2:ニッタイ工業|世界各国の輸入レンガ・タイルの販売メーカー
ニッタイ工業株式会社は、世界各国400シリーズ超の壁床タイルを輸入販売している販売メーカーで、レンガ調タイルを豊富に取り揃えています。
ニッタイ工業の代表的なレンガは、マジカルブリックプレミアムという商品です。風化レンガの風合いを醸し出すため、一枚一枚サイズ幅と色幅を持たせてあり、アンティークな仕上がりの製品です。
アンティークレンガは輸入品が多く品質的な問題がある場合もありますが、マジカルブリック プレミアムは国内生産で品質が安定しています。吸水率も低いため、吸水防止剤の必要もなく外壁に使用できます。標準品は、寸法204㎜×65㎜、厚さ20㎜で材料の設計価格が11,600円/㎡(64枚/㎡)です。
メーカー3:國富|品質にこだわった安心安全の国産レンガメーカー
國富は品質にこだわった国産レンガを扱うメーカーで、100種類にも及ぶ豊富な品揃えを持っています。
國富の代表的なレンガは、銀黒という商品で、あえて色ムラを付けた光沢のある黒レンガで和モダンな仕上がりとなっています。
日本の住宅の門柱・塀に最も適したサイズおよびカラーテクスチャーを追求した、いぶし銀の表情が特徴です。屋内外の壁はもちろん屋内外の床への敷きレンガとしても利用できます。標準品は、寸法200㎜×60㎜厚さ100㎜で材料の設計価格が13,065円/㎡(67枚/㎡)です。
メーカー4:東京ブリック|レンガの販売だけでなく設計・施工まで行うメーカー
東京ブリックは、レンガの製造だけでなく独自の構法を開発し、販売・設計・施工まで行うメーカーです。
東京ブリックの代表的なレンガはTB Bricksという商品です。12種類の色、4種類のテクスチャ、8種類のサイズから選択でき、さまざまなシチュエーションに対応可能な製品です。
湿式レンガと透かし積みレンガでサイズは異なりますが、他社にない大きなサイズで製作可能です。透かし積みレンガの最大サイズは、寸法420㎜×90㎜、厚さ100㎜です。東京ブリック社はレンガの施工を専門とする会社のため、プロジェクトごとの材工での見積になります。
メーカー5:国代耐火工業所|国内に自社工場を有し特注製作が得意なメーカー
国代耐火工業所は、国内に自社工場を有しレンガやタイル・ティンバーブリックなどの特注製作を得意とするメーカーです。
国代耐火工業所の代表的なレンガはfabrix(ファブリックス)という商品で、軽やかな見た目の独立壁も立てられる透かし積み用レンガです。
長さ320㎜の長いレンガに孔が3つ空けられていて、通し筋を入れて湿式で積み上げることで、より明るく風通しがよくなります。標準品は、寸法320㎜×60㎜、厚さ120㎜で材料の設計価格が43,700円/㎡(36枚/㎡)です。
デザイン性の高いレンガのおすすめ製品5選
国内の主要なレンガ製造会社・メーカーの製品の中から、特におすすめのレンガを5つ紹介します。
それぞれの製造会社・メーカーのレンガについて、製品の特徴や費用感などをまとめており、デザイン性の高いレンガを取り入れた設計・計画での検討や比較に役立てていただけます。
アゴラブリックス|伝統的な陶芸作品に引き継がれた還元焼成の技術を活かしたレンガ
アゴラブリックスは、国代耐火工業所の製品で還元焼成の技術を活かしたレンガです。
アゴラブリックスは、美濃古陶で知られる焼物の地、美濃地方で産出される良質の粘土を使用し、陶人たちの陶芸技術を受け継いだ製法を用いています。炙り・攻め・炊き上げが絡み合うことで、焼物本来の美しさ、土の質感、自然な窯変による陶器のような質感が特徴です。
アゴラブリックスは、レンガやタイル・ティンバーブリックなどの幅広いタイプを取り揃えた特注ブランドです。また、受注生産品でリーズナブルな標準品を豊富に取り揃えたアゴラジェーネというシリーズもあります。
アーザンブリックス|再生資源を使い無焼成固化の技術を活かしたアップサイクルレンガ
アーザンブリックスは、亀井製陶の製品で無焼成固化の技術を活かした舗装用レンガです。
アーザンブリックスは、下水道汚泥焼却灰・石炭灰・窯業廃土〈キラ〉・溶融スラグ・ガラスくずなど、多種類の未利用資源を有効利用した製品です。「無焼成固化」技術(特許製法)により、焼かずに再生した画期的なアップサイクルブリックで、シックな仕上がりのアンティークレンガのような風合いです。
アーザンブリックスは、原料の80%以上が再生資源で、無焼成・無排水・無廃棄生産のため、製造工程からCO2や排水・廃棄物が出ない地球に優しいレンガです。標準品は、寸法198㎜×98㎜、厚さ50㎜で、材料の設計価格が3,500円/㎡(50枚/㎡)と安価なのも特徴です。
ティンバーブリック|強還元焼成の技術を活かしたルーバー状レンガ
ティンバーブリックは、国代耐火工業所の製品で、強還元焼成の技術を活かしたルーバー状のレンガです。
ティンバーブリックは、湿式製法による中空長尺レンガで、内部に金物を組み込んで施工します。手すりや間仕切り、日除けスクリーンなどに適していて、実用性と意匠性に優れています。
ティンバーブリックは、断面形状が異なる2つの製品があり、1つは寸法60㎜×60㎜、長さ1000㎜で、材料の設計価格が13,400円/本です。2つ目は寸法60㎜×100㎜、長さ1000㎜で、材料の設計価格が18,600円/本です。それぞれの製品について、長さ1200㎜、1600㎜のタイプがあります。
クリスタルブリック|瑞々しく透明感のあるガラス製レンガ
クリスタルブリックは、モザイクジャパンの製品でガラスの鋳込み製法の技術を活かしたガラスレンガです。
クリスタルブリックは、環境への配慮と資源の有効活用のため、再生ガラスが約30%使用されています。また、一つ一つを手作りで丁寧に仕上げられていて、瑞々しく透明感のあるガラス器のような質感が特徴です。
クリスタルブリックは、ガラス本来の透明感を表現するクリアタイプと、柔らかな空間を演出するマットタイプがあります。クリアタイプは寸法200㎜×100㎜、厚さ50㎜で材料の設計価格が120,000円/㎡(100枚/㎡)と、比較的高価な製品です。
エドブリック|関東ロームから作られたアップサイクルレンガ
エド・ブリックは、クリエイティブ・リソースの製品で東京近郊の未利用資源である建設発生土としての関東ロームを循環利用したアップサイクルレンガです。
エド・ブリックは、関東ロームと三河土を配合し成形した煉瓦を、関東ロームの泥にドブ漬けした後に焼成することで土の多孔質な表情を引き出しており、土壁のような仕上りとなっています。
エド・ブリックは、還元と酸化という焼成方法の違いによって2つの色調があるほか、、外壁やインテリアなど多様なシーンで使用できます。標準品は寸法210㎜×100㎜、厚さ60㎜で特注ブランドであることから、受注生産品になります。
建築プロジェクトでのレンガの活用事例
ASEI建築設計事務所が設計したプロジェクトでのデザインレンガの活用事例を紹介します。プロジェクトの概要、デザインレンガ活用のポイント紹介、実際に作成した資料や図面、写真などから建築設計・デザインにおけるレンガの使い方について、具体的なイメージを掴んでいただけます。
事例1:ファサードデザインとしてレンガを活用した高田馬場のビル
高田馬場駅近くの早稲田通り沿いに建つ10階建てのテナントビルです。通りに面したビルの壁面にレンガを縦格子状に積み上げたファサードデザインの事例です。
ASEI建築設計事務所は建物本体の基本計画から設計監理までの業務を一貫して実施しました。プロジェクトの一環として、建設発生土である関東ロームを再利用した関東ローム煉瓦の開発を行い、ビルのファサードに活用しました。
高田馬場ビルのデザインレンガ活用のポイント
高田馬場ビルにおけるデザインレンガ活用のポイント・効果は以下の通りです。
- 間口の狭い正面ファサードにレンガを使うことで、特徴的な印象や見栄えを実現
- 耐火性の高いレンガによるファサードによって、延焼防止など建物の外装性能が向上
- レンガは比較的安価なため、ガラスファサードにした場合と比較してコスト低減が実現
- レンガのファサードにより、低層階と中高層階で統一感のある外観を実現
事例2:インテリアデザインにレンガを採用した三浦海岸マンションリノベ
神奈川県三浦市にある築20年のマンションの一室をフルリノベーションしました。インテリアの間仕切り壁としてレンガを活用した事例です。
東京湾への眺望を取り込み、三浦海岸の環境を感じられる暮らしをしたいというお客様のご要望に対して、自然素材であるレンガを活かした、特徴的で開放的なインテリアを実現しました。
三浦海岸マンションリノベのデザインレンガ活用のポイント
三浦海岸マンションリノベにおけるデザインレンガ活用のポイント・効果は以下の通りです。
- レンガの透かし積みによって、光と風を通す軽快な印象の間仕切り壁を実現
- 吸放湿性の高いレンガの活用によって、多湿な潮風による結露やカビを抑制
- レンガを通し筋で補強し、マンション躯体に固定することで安全性に配慮
- 比較的小さな建築材料であるレンガを活用することで、マンションへの搬入費用を抑制
まとめ:デザイン性の高いレンガを活用し、個性と高級感のある空間デザインを実現しよう
デザイン性の高いレンガを建物の構造・エクステリア・インテリアなどに活用することで、高級感や個性の演出につなげられます。建築・インテリアデザインにデザイン性の高いレンガを採用する際のポイントは以下の通りです
- レンガは色や風合いが多様なほか、積み方や施工方法でさまざまなデザインが実現する
- レンガ関連の建築法規や規定をおさえることで、構造体や耐火構造などが実現できる
- レンガの価格や設計単価について、基本的な考え方を知ることで実際の設計に役立てられる
- レンガの積み方や建築設計における活用シーンを把握することで、デザインに幅が生まれる
- レンガ製品のメーカーリストや商品をおさえることで、最適なレンガが採用できる
ASEI建築設計事務所は、資源の価値を見直し、地域の技術を活かした環境素材の開発に取り組んでいます。また、開発した環境素材を使用したビル・店舗・個人住宅の設計提案に実績があります。環境素材やレンガの製品に関心のある方は、お問合せフォームよりお気軽にご連絡ください。
デザインレンガに関する事例・リンク
EDO brick
ASEI建築設計事務所が開発したレンガ・EDO brickを紹介するページです。EDO brickは関東ロームと三河土を配合し成形したレンガです。EDO brickの詳しい製品情報・写真・施工例などをご覧いただけます。
レンガとは?
レンガの説明や特徴などを紹介しているページです。レンガの特徴などの説明、性能別・製法別のレンガの紹介、レンガの活用事例、選び方や購入方法などを紹介しています。
導入の流れ
デザイン事務所への相談方法やお問合せからサービス提案までのプロセスを紹介しているページです。レンガなどの環境素材や、ビル・店舗・個人住宅の設計について相談をする際の方法や費用が発生するタイミングなどを紹介しています。