マンション一室でも海とのつながりを感じたい

都心から電車で1時間ほどの神奈川県三浦海岸にある築20年のマンション一室のフルリノベーションです。ご依頼をいただいたお客さま(40代半ばのご夫婦)は、ご主人は現代美術家で、奥様は翻訳家で、自宅での仕事が主なため、都心を離れて三浦海岸の自然豊かな環境に惹かれ、海がまじかに見渡せるこの部屋をご購入されました。

主に以下2つのご要望がありました。

  • 東京湾への眺望を取り込み、三浦海岸の環境を感じられる暮らしをしたい。
  • 自然素材を活かして間仕切りのない開放的なインテリアにしたい。

塩害、カビを抑制する三浦の土を使った煉瓦の開発

しかし、海が目の前に拡がるからといって安易に開放的にしては、海からの多湿な潮風で結露とカビ、塩害などの弊害まで取り込んでしまう問題があります。そこで、私たちは計画検討の前に三浦海岸の自然環境をリサーチすることから始めました。その過程で三浦半島南部一帯に堆積した関東ローム層の土に着目すると、断熱性・蓄熱性が高く、多孔質なため吸放湿特性があることが分かりました。

これらの特性を活かし関東ロームを配合して、新しく「関東ローム煉瓦」の開発に成功しました。一般の煉瓦にはない地層のような土のテクスチャを備えた煉瓦が、海からの湿気を吸放湿して結露・カビ抑制する効果を果たしています。

ポストコロナの新しい暮らし

インテリアは既存の間仕切り壁を取り払い、壁でプランをつくらず、リビングダイニング・アトリエ・水回りの3つの領域を東西に並列同居させ、状況に応じて柔軟な利用ができるようにしました。

お施主様ご夫婦は、2020年2月にご入居され、ポストコロナの新しい生活様式を予見していたかのように、三浦海岸の海と大地の自然の営みと呼応した大らかな暮らしを楽しんでいらっしゃいます。

LOAM/海の建築概要・写真

所在地神奈川県三浦市
家族構成40代ご夫婦
延床面積223㎡(67坪)
用途住宅(マンションリノベーション)
構造鉄筋コンクリート造
敷地環境東京湾が一望できる海岸沿い